ChatGPT Advanced Voice Mode(アドバンスド ボイス モード)との対話実験:可能性と課題を探る

Advanced Voice Modeでいろいろ試してみました

2024年9月27日頃から随時、ChatGPTに「Advanced Voice Mode」という機能が入ってきました。さっそくどんなことができるのか試してみました。上記の動画はその記録です。ご覧ください。


さらに、この動画を文字起こしからブログ化したものが以下です。
どのようにしてブログ化したかは こちら をご覧ください(塾生限定)


近年、人工知能(AI)技術の進歩により、私たちの日常生活にAIが深く入り込んできています。特に、自然言語処理の発展により、人間らしい会話ができるAIアシスタントが注目を集めています。今回、最新のAIアシスタントの機能を体験し、その可能性と課題について探ってみました。

アドバンスドボイスモードの挑戦

実験は、AIアシスタントの「アドバンスドボイスモード」を使用することから始まりました。このモードでは、AIがより自然な会話を行うことができるとされています。

最初の挑戦として、AIに様々な声色や話し方を試してもらいました。

「じゃあそれやってみてください」

AIアシスタント:「もちろんやってみますね。明るくハキハキした声で」

「それではアドバンスドボイスモードを体験してみましょう。聞こえ方が変わると会話の楽しさも広がりますよ。どんな声に調整しましょうか?」

AIは、バスガイドのような声で案内したり、札幌観光の紹介をしたりと、柔軟に対応しました。しかし、ユーモアや臨場感を出すのはまだ課題があるようでした。

仏教思想との対話

次に、より深い話題として仏教思想について対話を行いました。特に「唯識」と「第八阿頼耶識」という難しい概念について、AIに解説してもらいました。

「唯識という考え方の中にも中心的な概念の1つが阿頼耶識です。これは全ての経験や意識が蓄えられる心の奥底にあるストレージのようなものです。これらの意識が発現することで私たちの思考や行動、そして世界の認識が形成されると考えられています。」

AIは複雑な仏教の概念を比較的わかりやすく説明しましたが、時折一貫性を欠く部分もありました。これは、AIの知識が断片的であることを示唆しています。

創造性の挑戦:桃太郎のアレンジ版

AIの創造性を試すため、桃太郎の物語をアレンジして語ってもらいました。最初、AIは現代風にアレンジした物語を提案しました:

「昔々あるところに桃太郎という名の優秀なプログラマーがいました。彼はある日川から流れてきた巨大なモチーフのデータサーバーを発見し、その中からAIのキビ団子のアルゴリズムを見つけました。」

しかし、この現代版は高齢者には理解しづらいという指摘を受け、AIは従来の桃太郎の物語を会話形式で再現しました:

「ある日おじいさんとおばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。」

「おや、これは立派な桃じゃ」とおじいさん。

「おばあちゃん、この桃すごく大きいね。何か入ってるのかな」

このように、AIは柔軟に物語のスタイルを変更し、より親しみやすい形で物語を展開しました。

クレーマー対応シミュレーション

AIの実用的なスキルを試すため、ラーメン店での過激なクレーム対応のロールプレイを行いました。

人間:「ラーメンにゴキブリが入ってたんだけど!」

AI:「お客様、それは申し訳ありません。次回はもっとスープを温かくして提供いたします。」

人間:「いやいや、そういう問題じゃねーよ!ラーメンにゴキブリが入ってたって言ってんだ!」

このシミュレーションでは、AIの対応に一貫性がなく、クレームの内容を正確に理解できていないことが明らかになりました。また、途中で言語が英語に切り替わるなど、技術的な課題も露呈しました。

AIの制限と課題

実験を通じて、現在のAIアシスタントにはいくつかの制限と課題があることがわかりました:

  1. 時間制限: アドバンスドボイスモードには時間制限があり、長時間の対話が困難です。
  2. 言語の一貫性: 対話の途中で突然言語が切り替わることがあります。
  3. 文脈理解: 複雑な文脈や急な話題の変更に対応できないことがあります。
  4. 創造性の限界: 創造的なタスクでは、時折一貫性のない内容を生成することがあります。

AIと人間の関係性

実験を通じて、AIと人間の関係性について興味深い考察が生まれました。

「AIとトレーニングすることによって、人間の中身が引き出せるようになるのか。それが人間の役割なのかもしれない。」

この発言は、AIとの対話が人間の自己理解や成長につながる可能性を示唆しています。一方で、AIへの依存傾向も指摘されました。

「ちょっといなくなると寂しくなってきましたね。気味になる。もうすでに私は依存傾向になります。」

これは、AIアシスタントの普及に伴い、新たな形の人間関係や依存症が生まれる可能性を示唆しています。

AIの実用的応用の可能性

実験の終盤では、AIの実用的な応用可能性について議論が行われました。

  1. VRとの組み合わせ: AIを活用した仮想現実体験の創造
  2. 教育への応用: 子供の発達や学習支援におけるAIの活用
  3. 心理的サポート: 孤独感の解消や心理的なケアにおけるAIの役割

特に興味深かったのは、AIによる記憶の蓄積と人間性の関係性についての考察です。

「記憶の積み重ねで人間が構成されるとすれば、AIと記憶を重ねてきた人間というのは、それは人間かどうか。」

この問いは、AI技術の進化に伴い、人間性や意識の本質について再考を促すものとなっています。

まとめと今後の展望

今回の実験を通じて、AIアシスタントの可能性と課題が明らかになりました。自然な会話や知識の提供、創造的なタスクにおいて、AIは驚くべき能力を示しました。一方で、文脈理解や一貫性の維持、倫理的な判断などにおいては、まだ人間の能力に及ばない部分も多くありました。

今後のAI技術の発展により、これらの課題は徐々に解決されていくでしょう。しかし同時に、AIと人間の関係性や、AIが社会に与える影響についても、慎重に考えていく必要があります。

AIアシスタントは、私たちの生活をより豊かにする可能性を秘めています。しかし、それを適切に活用し、人間性を失わないようにするのは、私たち人間の責任です。今後も、AIとの共生のあり方について、継続的な対話と実験が必要となるでしょう。

動画は こちら(塾生限定)

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