8月14日AI勉強会レポート「新時代リーダークラブAI勉強会」

AI時代の経営を考える:新時代リーダークラブAI勉強会レポート

こんにちは、テックブロガーのヨウコです。先日、新時代リーダークラブ主催のAI勉強会に参加してきました。AI時代の経営について、最新のツールから哲学的な視点まで幅広く学べる充実した内容でしたので、ここでその模様を詳しくレポートしたいと思います。

リーサス(RESAS)で地域経済を分析

最初の講演者は、かなえ経営株式会社の佐野元洋さん。地域経済分析システム「リーサス」の活用法について解説してくれました。

「皆さん、自社の業界が伸びているのか縮小しているのか、パッと答えられますか?」

佐野さんの問いかけに、会場はシーンと静まり返りました。確かに、感覚的にはわかっていても、具体的な数字を即座に答えられる人は少ないでしょう。

そこで登場するのが「リーサス」です。政府が提供する無料のデータベースで、産業構造や人口動態、消費動向などが視覚的にわかりやすく表示されます。

「例えば、そば屋さんの市場規模を見てみましょう」

佐野さんがデモンストレーションしてくれると、あっという間に業界の動向が数字で表示されました。2016年から2021年にかけて、そば屋の市場規模が約3分の1も縮小していることが一目瞭然です。

「自社だけでなく、取引先の業界動向も確認できます。これで戦略立案の精度が格段に上がりますよ」

佐野さんは続けて、人口動態や消費トレンド、さらには外国人観光客の消費動向までリーサスで確認できることを示してくれました。

「例えば、岡山市を訪れる外国人観光客の消費傾向を見てみましょう」

画面には、国別の消費額や消費カテゴリーが表示されます。

「中国からの観光客がレストランでよくお金を使っていることがわかります。この情報を元に、中国語メニューの準備や中国人向けの料理開発などの戦略を立てることができますね」

参加者たちは熱心にメモを取りながら、自分たちのビジネスにどう活かせるか考えを巡らせているようでした。

佐野さんは最後にこうまとめました。「データを眺めるだけでは意味がありません。仮説を立て、科学的根拠を集めて検証する。そして、具体的な目的を持ってデータを収集し、分析する。これがリーサスを活用する上で最も重要なポイントです」

AIとGoogleスプレッドシートで業務改革

次に登壇したのは、株式会社サンクスアップのザロこと松山将三郎さん。AIとGoogleスプレッドシートを組み合わせた新しい業務管理システム「DXパフェ」を紹介してくれました。

「今まで高額だった名刺管理や日報システムが、無料で構築できるんです」

松山さんがデモを始めると、スマートフォンで撮影した名刺の情報が瞬時にデータ化されていきます。

「見てください。これ、私の名刺なんですが、撮影してアップロードするだけで、こんなに正確に情報を読み取ってくれるんです」

確かに、名前や住所、電話番号などが正確に入力されています。参加者からは驚きの声が上がりました。

「従来の名刺管理ソフトだと月額1万8000円くらいするんですが、これなら無料で使えます。しかも人数制限なしです」

さらに松山さんは、音声入力で日報を作成し、それがAIによって自動的に目標管理と連動するシステムも披露しました。

「例えば、こんな感じで音声入力します。『本日、A社を訪問。新規案件の打ち合わせを行い、来週までに見積もりを提出することになった』」

すると、入力された内容がテキストに変換されるだけでなく、AIが内容を分析し、関連する目標の進捗状況を自動的に更新していきます。

「これにより、日報作成の手間が大幅に削減できるだけでなく、リアルタイムで目標の進捗状況が把握できるんです」

松山さんは続けて、このシステムの重要性を強調しました。

「大切なのは、社内外のデータを収集する習慣をつけること。それがAI時代の経営者の仕事なんです。日々の業務から生まれる様々なデータ、例えば顧客とのやりとり、社員の業務状況、市場の動向など、これらのデータを蓄積し、AIで分析することで、今まで見えなかった課題や機会が見えてくるんです」

松山さんの熱のこもった説明に、参加者たちは目を輝かせていました。ある参加者は「うちの会社でもすぐに導入したい」と興奮気味に話していました。

仏教の知恵とAI

最後に登壇したのは、弁護士の太田勝久さん。仏教の考え方とAI時代の経営について、哲学的な視点から講演してくれました。

「仏教は全体と部分の関係性を重視します。これはAI時代の複雑な問題解決に適しているんです」

太田さんによれば、近代的な要素還元主義だけでは現代の複雑な問題に対応できません。仏教の教えを経営に活かすことで、より柔軟で創造的な問題解決が可能になるそうです。

「現代社会は、情報化やAIの発展により、ネットワーク型の社会になっています。量子力学的な考え方が主流になってきた今、2500年前にブッダが開発した仏の知恵こそが、我々の生活や仕事、経営を豊かにする秘訣があるんです」

太田さんは、仏教の考え方がどのようにAI時代の経営に活かせるのか、具体的に説明してくれました。

「例えば、仏教では『縁起』という考え方があります。全てのものは相互に関連し合っているという考え方です。これはまさに、ビッグデータやAIが示す世界観と一致しています。データ間の複雑な関係性を理解し、そこから新たな価値を見出すこと。これこそがAI時代の経営者に求められる能力なんです」

また、太田さんは仏教の「空」の概念とAIの関係についても言及しました。

「『空』というのは、全てのものには固定的な実体がないという考え方です。AIの時代において、ビジネスモデルや戦略は常に変化し続けなければなりません。固定観念にとらわれず、常に変化を受け入れる柔軟性。これも仏教の教えから学べることです」

太田さんの深遠な話に、参加者たちは深く頷いていました。ある参加者は「AIと仏教の知恵、一見かけ離れているように見えて、実は深いつながりがあるんですね」と感想を述べていました。

質疑応答・交流タイム

講演終了後、質疑応答と交流の時間が設けられました。参加者からは多くの質問が寄せられ、活発な議論が交わされました。

ある参加者は佐野さんに「リーサスのデータはCSVなどで簡単に分析できるようになるんでしょうか」と質問。佐野さんは「具体的な計画はまだ発表されていませんが、期待したいところです。CSVで出力できるようになれば、さらに活用の幅が広がりますね」と回答しました。

また、松山さんのDXパフェについても多くの質問が寄せられました。「導入にあたってのハードルは何でしょうか」という質問に対し、松山さんは「技術的なハードルはほとんどありません。むしろ、データを収集し活用する文化を社内に根付かせることが重要です」と答えました。

太田さんの講演に関しては、「仏教の考え方を具体的にどのように経営に活かせばいいのか」という質問が出ました。太田さんは「例えば、意思決定の際に、目の前の問題だけでなく、それが全体にどのような影響を与えるかを常に考える。これが仏教的な考え方を経営に活かす一例です」と説明しました。

まとめ

今回の勉強会を通じて、AI時代の経営には「データの収集・分析」と「全体を見る目」の両方が必要だということがよくわかりました。リーサスのような公共データの活用、AIを活用した業務効率化、そして仏教の教えを取り入れた経営哲学。これらを組み合わせることで、新しい時代に対応した経営スタイルが生まれる可能性を感じました。

テクノロジーと哲学の融合、まさに新時代のリーダーシップの形を垣間見た気がします。データとAIを活用しつつ、人間ならではの洞察力や創造性を発揮する。そんなバランスの取れたリーダーシップが、これからの時代には求められるのでしょう。

最後に、松山さんの言葉が印象に残っています。

「大切なのは、情報資産、つまりお宝を集めること。AIはツールに過ぎません。それを使いこなし、価値を生み出すのは私たち人間なんです」

皆さんも、自社の経営にAIをどう活かすか、考えてみてはいかがでしょうか?次回の勉強会が今から楽しみです!

動画は こちら(塾生限定)

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